LMC iPhone随一のマスタリングアプリ
DAWや音源など、様々なアプリが次々とリリースされていて、デモやスケッチをiPhoneで手早く作って、スタジオやPCで仕上げるという制作フローも一般的になりつつある一方、
iPhoneだけでもある程度トラックを「完成」させたいという方もいるでしょう。
iPhoneにも1つあります。「音楽」としての「品質」を高めるアプリが。
thick-one ~ビートメイカーの為のiOSアプリ2017Final Mix。
Lurssen Mastering Console.
目次
機能チェック
メイン画面
①フォルダマーク
プロジェクトを管理します。+Add Projectでプロジェクト作成。
②INPUT DRIVE ノブ
入力するソングのレベル調整。
③LINKノブ
Lch.とRch.をリンクさせるか、別々に行うかを切り替える。
④5バンドEQ
60Hz/120Hz/3kHz/6kHz/10kHz の5バンド構成。
⑥PUSHノブ
5バンドEQのゲインを一括調整。ハッシュマーク(バミってるやつ)でマーキングが可能。
5バンドEQ
60Hz:いわゆる「低域」キックやベースにとって重要な帯域。
120Hz:暖かみを演出します。キックの芯。
3kHz:ここからが「直接音」ボーカルの声を張った時のピーキーな部分が含まれます。芯もこの辺り。全体のアタック感。キックの輪郭。
6kHz:「高域」スネアの輪郭。ボーカルの子音やハイハットが絡んできます。
10kHz:さらにハイハット。俗に言うトレブル。
ドラムや声の一例です。あくまでも効果が大きい部分の大まかな特徴・イメージであり、楽器にはあらゆる周波数帯域が含まれます。常に組み合わせてトーンコントロールをしていきます。
波形表示
①曲名/サンプリングレート/ビットレート
②マーカー
範囲を指定し、中央下ループマークでループさせます。
③オートメーション選択
右下「+」をタップして出現。
左から
INPUT:メイン画面INPUTと連動。
PUSH:メイン画面PUSHと連動。
エンピツ:手動入力開始宣言。
フレーム:まとめてやっちゃおう。
ゴミ箱:やっぱやめた。
エンピツ→オートメーションをタップ(指の周りに○が出現)→そのままドラッグしてポイント移動、が基本動作になってきますね。
④オートメーション書き込み方式選択
READ→PCのカーソル入力、TOUCH→iOS向けタッチスクリーン入力、WRITE→リアルタイム入力。PUSHノブと連動。
プロセッサ構成
①STYLE
ジャンル別プリセット。以下参照。
Americana Loose:LIMITER→DE-ESSER→COMPRESSOR
Americana Tight:同上。
Classical:DE-ESSER→COMPRESSOR
EDM:同上。
Hard Rock:同上。
Hip Hop:同上。
Jazz:LIMITER→DE-ESSER→COMPRESSOR
Pop Rock:LIMITER2→DE-ESSER→COMPRESSOR
②DEESSER
Gain Reduction/Threshold
③COMPRESSOR
Gain Reduction /Threshold /Make Up Gain
グラミー賞受賞マスタリングエンジニア監修の為、素直にプリセットを使うのがオススメです。
SoundCloudにLurssen Mastering Console のオーディオデモがあります。
こちらも設定の参考にできます。
ファイル形式
AAC Low Quality(128kbps)
AAC Hi(320kbps)
WAV
サンプリングレート
44.1kHz (WAV/FLAC)
48kHz (WAV/FLAC)
88.2kHz iPhoneのみでは必要ありません。
96kHz 同上。
ビットレート
16bit
24bit
off
標準的なのはWAVの44.1kHz / 16 bit 、iOSのみ使用での最高音質はFLAC /48kHz /24bit になるでしょう。
値段
無償ダウンロード ノイズ混入。
Play/Process:6000円(定価)
HD Engine:11,800円(定価) Play/ Processの購入が前提。
ロサンゼルスのマスタリングスタジオ(Lurssen Mastering Inc.内)がモデリングされているだけあって、お値段は弾みます。
使用例
今回は、自作トラックの「External Inclination iPhone_mix」を使用して実践してみました。LMCのみでの効果を検証する為、普段使いさせて頂いているKORG Gadget のマスタートラックに挿していたDee Maxを一旦抜き、設定はLMCのSoundCloudのオーディオデモで詳細確認できる "Hip Hop-Trap"をベースに調整しました。
本来ならば48kHz/24bitのFLACをSoundCloudのmp3で聴いて頂こうという考え自体に無理があるように感じますが、ここからがまたこのアプリの凄さ。
Appleの"Mastered for iTunes"という、デジタル配信&ストリーミング配信の為の、音源が各ファイル形式に正確に圧縮変換される事を保証する為のガイドラインに準拠してるので、再生時に最高の音質を保つ事が出来るようになっている様です。
DeeMax処理(軽め)
LMC処理
聴き比べてみてください!
Happy Mastering!